赤い電車

 名鉄も今でこそ白ベースの特急専用車やステンレス車も増えました。それでも「赤い電車=名鉄」と言うくらい赤色がシンボルカラーとして定着していますが、昭和40年代は色々な車体カラーを楽しめる年代でありました。

 ダークグリーン(3400系を除く)を基本色としていた中で、昭和25年登場の3850系(当時のロマンス車)で採用したピンクとチョコの塗り分けを以降の車両に採用する事になりますが、昭和36年には7000系がスカーレット1色で登場します。これはパノラマカーという特殊な車両であることからも当時は別格の扱いと認識してもいいと思います。

 しかし昭和40年代に入ると車体カラーに迷いが生じます。それは別格であるべきパノラマカーが本格的に増備を続け、車体更新車にも同等に近いサービスを提供するべく昭和41年に3780系が登場した事です。車体更新車とはいえちょっとデラックスな新車のイメージにライトパープルというパステルカラーが好評だったのですが、何を勘違いしたのかピンクとチョコの車両もこのライトパープル塗装に塗り替える事になるのです。
 デザイン的にライトパープルを纏うことを前提とした3780系が似合うのは当然としても、従来の車両にパステルカラーが合う訳がありません。ライトパープル塗装は短期間であっと言う間に新カラーのクリーム&赤帯に塗り替えられて消滅します。もしこのライトパープル塗装への変更が無ければ、3780系はもう少しライトパープルのままでいられたのかもしれませんね。

 ピンク&チョコ塗装で残っている車両もあり、昭和41年から2年くらい名鉄には5つのカラーの電車が入り交じり、そして走り回っていたのです。残念ながら私は就学前でもあり名鉄に乗ったという記憶さえありません。この時代を堪能できた名鉄ファンの先輩方がうらやましく思えます。

 さてこの時点で塗装による区分けは、ロングシートAL車=ダークグリーン、クロスシート車・HL車=クリームに赤帯、パノラマカー=赤と、分かりやすく落ち着くと思いきや5000番台のSR車がスカーレット塗装に変更となります。パノラマカーとの差別化から白帯を巻いての登場です。そして次第に白帯も細くなり最終的にスカーレット1色で登場します。
 ちょうどこの昭和45〜46年が私が名鉄に接し、そしてその魅力に嵌っていくのです。自分で分かる範囲では、塗装による区分けはロングシートAL車=ダークグリーン、クロスシートAL車・HL車=クリームに赤帯、SR車=赤となります。これが私の根底にある名鉄電車の基本なのです。

 しかし昭和も50年代に入ろうとする前にとんでもない事が始まります。私がその悪夢を見たのは多分51年頃だったと思うのですが、パノラマカー乗車中に先方からやってくるAL車が真っ赤っか…。この時はいったい何が起こったのか判然とせず、今何が起こったの?ここは何処?状態でしたが、よくよく考えてみれば東急3700系が赤1色で入線しているのですから、名鉄の塗装変更が始るのかもしれないという予感はあるにはあったのです…。

 案の定、数ヶ月後に名鉄を訪れると赤い旧型車が増殖しています。ちょっとショックでした。はっきり言って似合いません。年増の厚化粧なんて揶揄されもしました。特に酷く感じたのは3400系でスカートまで真っ赤です。塗色統一はオイルショックによる合理化と言われていますが、もう少し何らかの手だてはなかったのでしょうか?
 しかし、それも時を経て6000系に始まるスマートな新車の導入が、他社に比べて大幅に遅れたけれど、新旧交代した事で「赤い電車=名鉄」を定着させていったのではないかと思います。


 私は関東人なので「赤い電車」と言えば京急となります。歴史的に京急に分がありますが、京急はあくまでも電鉄のシンボルであり、車両のデザインも白帯を巻くことで成り立ちます。
 名鉄の場合「赤い電車」はパノラマカーです。赤1色で成り立たせ、説得させるインパクトはこれの右に出る車両は皆無であると思います。実際当時の5000番台SR車は京急のように白帯を巻いた方が引き締まります。
 関東と中京、双方の赤い電車を好む私には「赤い電車」はパノラマカーで、京急は「赤い電車」の電鉄なのです。


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 模型ではどうでしょうか。やはりマスキングの手間を考えると赤一色が負担無く楽しむ事ができます。名鉄のスカーレット化の合理化が受け入れられないくせに、いざ自分が模型を作るとなると単色のありがたさを実感。あぁ合理化…。
 目立つ色でインパクトもあります。私の模型は否応無く赤い電車が増える傾向にあるのです…。


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 ライトパープルの再現は実車を見た事が無いのでどう判断すればいいのか分かりません。できることは書籍のカラーを頼るしか手だてはありません。時代が時代だけに退色もあると思いますが、あえてそこから判断すると、ちょっと赤みがかかった水色…といったところでしょうか。逆に赤みが強いと藤色となってしまいイメージが湧きません。


 設計段階のパノラマカーの色はオリーブ色(グリーン)が第一候補だったそうです。この段階ではまだ参考となったイタリア国鉄ETR300のイメージや、戦前の名車3400系(グリーンのツートーン)を意識するような時代でもあったのです。そんな中で警戒色でもあるスカーレット(赤)を決定した当時の名鉄の英断は、パノラマカー亡き後の現在も脈々と生き続けているのです。

 イメージが完璧にできあがってしまっただけに、グリーンのパノラマカー、絶対ありえねェ〜!それだけ永年培われてきた歴史は簡単には崩せません。パノラマカーを払拭すべきニューアクセス・ミュースカイもブルーという名鉄では斬新なカラーを採用したけれど、車両のインパクトがありきたりだから後釜にはなれないのです。

 名鉄にはやはりなにかしらのパノラマカーの存在が必要な気がします。当然一般車のパノラマカーです。
 小田急を見てみればいい。パノラマカーとロマンスカーという立場の違いこそあれ、小田急ロマンスカーは常に魅力満載に進化し続けているのですから。
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by tank2pc | 2013-08-17 00:49 | 模型と実車 | Comments(0)

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